02
誰かを愛してしまって
その愛が深ければ、深いほど 僕の心には、悲しみが広がってゆく。 だから、好きな人に逢うと、悲しくなる。多くの星が、心に空いた穴に、降り注ぐ。 少しだけ、ほんの少しだけ 心が満たされてゆく。
それを、幸せというのなら 私はなんて欲深いのだろう。 記憶を繋ぎ合わせて 心と感情を閉じ込めて 独りで生きてゆく事のなんと簡単な事だったか。
僕は身の周りに残る、多くの記録を捨ててきた。 過去など、もう要らないと思ったから。 なのに、貴方が。 僕を変えた。
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これは、せめてもの罪滅ぼしか? いや、ただ、今は君と共に居たいと思っただけかもしれない。
少しだけ、君の時間を僕に。 そして、また記憶に溺れよう。 この虚構同然の世界に、別れを告げる時まで。 おしまし おまけ