写真は卑怯だ。 自分の時間だけが流れて 絵の中は。ずっとそのままだ。 あの日の事がすべて嘘のように思える この一瞬一瞬が、次の瞬間にはただの過ぎ去っただけの くだらない記憶に。残像になってしまう。 せめて、嘘だとわかっていても、残したいと思ってしまう。 永遠でもないのに。 ただの感傷に過ぎないのに。多くの命の上に立つ 彼女の横で朽ちてゆく樹木。
朽ちた樹木は、多くの生き物を潤し そして何時の日にかその全てを土に戻す。 何の躊躇いも無く。 なんと強く、優しく、潔く。
まるで生きていないかの様に、こちらを見る 視線はこちらを向いているが、それは私を見てはいない。 意志を持ちながらも、生気の無い瞳。 命に囲まれて・・・・。
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そして、暫くの後に
また闇が私達を襲う。