03






全てが終わり

心の中には、ぽっかりとした穴が。





時間は容赦なく終わりを告げ
それぞれが、共有した時間を捨て
また、個へと戻る。

ここから先は、偽りではない、苦しみのなかで、足掻き続けるだけの
誰にも優しくない世界が。

私も、そんな場所に行かなければならない。


今までの過ぎた時間への悲しみ
そして、明日への苦しみが私を包む。


 



出来うる事であれば、このままこの命が終わらないものだろうか。
最高の、快楽の中で明日を恐れる事無く
命を終われないだろうか。









どんな愛も、物質を超えて融合する事は出来無い。
その事実が私を苛む。



泣いて、縋って、祈れば
私の願いは叶うのだろうか?



ひとときの愛が、永遠に変わりますように。
人が、心で繋がりますように。

どうか、悲しみに満ちた世界になりませんように。
戦う事の無い世界になりますように。





せめて。

せめて、今だけは仮初でも
ただ、二人の為だけに幸せな時間が続きますように。







 






私は、彼女達に、何が出来るのだろう。






























































夜を明日へと走る。

思い出の中に浮ぶのは
彼女の居ない景色。

















忘れないで。

この場所に彼女が居た事を。

この風と戯れていた人がいた事を。












おしまい