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記憶を塗りなおす、喜びと、不安。

落ち着かない心を抑え
ただ、あの場所を目指して。


 


こんな所にまで、一人で来るなんて

今までの自分では考え得る事ではなかった






京都駅、何年ぶりだろう。

ひさしぶり?はじめまして?


 





この位の年齢の記憶は、殆ど無い。


だから。ここに来たんだ。




 



そうだ、覚えてる。

微かにだが。


 


子供の頃の、薄れた物をなぞるように
同じ道を、また歩く。

今はもう居ない「あの」人と、今居る「この」人と共に。


 

 

 


幸せだった頃の思い出が

歩くたびに、思い出されてくる。

そう
あんなに幸せだったのに
あんなに、満ち足りていたのに。


 



そうだ、覚えている。






こんな景色の時、私は・・・・・・・手を。

手を・・・・・・・。












雨に濡れて・・・・紫陽花が、綺麗だった。










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