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どれだけ丁寧に掬い上げても
まるで、水銀のように
あとも残らずに
隙間からこぼれてゆく物が在る。


それはまるで、夢のように。










燃えるような紅。









深い紅。







それでも、その中で
この深い紅の世界に佇む
二人が残せるのなら。

私はそれを喜ぼう。










この散逸した魂が、螺旋を描きながら大地へと向かう。

今は、二人を彩るために。












04